第31話

 

パチパチと焚き火の燃える音に、ティセリーは目を覚ました。自分が何をしていたのか思い出せず、しばしぼんやりと炎を見つめる。どうやら、どこか洞窟の中に布を敷いて寝かされているようだ。

焚き火のそばに、誰かが座っていた。その後ろ姿がとても懐かしいものに思えて、ティセリーの胸がコトリと音を立てる。

カリファの家で、ベランダから外を眺めていたティセリーの視界に入ったのは、確かに同じ後ろ姿だった。うっかり身を乗り出しすぎて落下してしまったところを、助けてくれたのは彼らしい。

ティセリーが目を覚ましたことに気づいたのか、彼がこちらを振り返る。柔らかな光に照らされた横顔は、確かに探し求めたレイオードのものだった。

「レイオード……」
「相変わらず、無茶だな、お前は」

低い声が耳をくすぐる。伸ばされた大きな掌が、ティセリーの頰に触れた。

彼が無事で本当に良かった。大地の女神には感謝してもし足りない。

ぬくもりに顔を埋めながら、ティセリーは再び眠りに引き込まれた。